「憩いの森自然観察会」報告
06.08.23
蒸し暑い夏の午後、通常は涼しい大子の地「憩いの森」もひとしお暑い日の観察会でした。でも森の中は冷気で多少の涼しさを感じましたが、それ以上に樹木からのフィトンチッドで気分も爽快な森林浴になりました。また観察会の終わりのころには少し風も吹き始め、"ヤマナラシ"の葉が山をザワザワと鳴らし、樹名の由来を実証できました。
1.実施場所 大子町「憩いの森」森林浴コース
2.実施日時 平成18年8月19日(土)13時〜15時20分
3.観察会テーマ 「夏の植物観察会」
"一年中で一番フィトンチッドが降り注いでいます。樹木を観察しながら森林浴を楽しみましょう。"
*「記念写真」* 憩いの森学習館前広場
4.参加者
(1) 一般参加者 5名
(2) 茨城支部 6名
5.観察コース
学習館前(13時15分)〜昭和天皇・皇后陛下お手植えの木(ヤマザクラとスギ2本で森の形に植樹)〜記念の森南道を登る〜風の道〜道路(カツラ谷)〜コクサギの谷(勝手に命名、コクサギとキツネノカミソリ群生)〜記念の塔〜遊具広場〜水の広場〜モミジ沢〜学習館へ帰着(15時20分)。
6.観察できた植物
(1) 木本植物
ヤマナラシ(風が吹き、山が鳴ったー葉同士が擦れて音が出る)、コブシ(ほとんど実が見えない)、ヤマボウシ(今年は実が少ない)、ケヤキ(葉の食害が酷い、アカアシミノゾウムシ?それともヤノナミガタチビタマムシかな?)、ヤマザクラ(蜜腺の観察)、アカシデ、クマシデ、シラカシ(他のカシノキとの見分け方)、コクサギ(良い匂いと感じた人もいました。コクサギ型葉序*)、ツリフネソウ、ウワミズザクラ、ミズキ(樹形と名の由来)、ケンポナシ(コクサギ型の葉序)、アカマツ(樹齢を数える)、ダンコウバイ、トチノキ(実がほとんど見えない)、ドイツトウヒ(ヨーロッパの森)、キササゲ(漢方薬)、ネグンドカエデ(トネリコバノカエデ。これは本当にカエデ?)。
*コクサギ型葉序;左右に2枚ずつついているように見える。もとは十字対生のもの が、節の位置がずれてこうなったと言われる。
(2) 草本植物
ツリガネニンジン、ツルカノコソウ、ヒヨドリバナ、オカトラノオ(実―何で花が尻尾状?)、オトギリソウ(白点、黒点は?)、フタリシズカ(花が無い時のヒトリシズカとの違い?)、トネアザミ、ソバナ、ノハラアザミ(総苞片は粘らない)、サイハイラン(実)、コバギボウシ(花が寂しい森に明るさを)、キツネノカミソリ(群生していたが少し時期が遅かった!)、コンロンソウ(実)、アリノトウグサ(若芽)、オオバショウマ、カシワバハグマ(蕾)、オヤリハグマ(蕾)、スイレン(花、午前中の下見時は咲いていたが観察会の時は閉じてしまった!)、クサアジサイ(残り少ない花が咲いていた)。
コクサギの谷に群生 |
6.感想と謝辞
暑い最中の観察会でしたが元気で終了できました。皆様方各位のご協力を感謝いたします。一番心配だった熱中症は全く心配ありませんでした。これも常日頃の皆様の努力の賜物と推察いたします。
全国森林インストラクター会茨城支部長 林 聰一郎
なお今回の観察会場は、茨城県奥久慈憩いの森です。管理事務所の連絡先は e-mail: ikoinomori@cello.ocn.ne.jp 電話0295-76-0002 です。ご利用下さい。