ロゴマーク
全国森林インストラクター会
茨城支部
トピックス

第2回 林業技術研修会報告

平成18年8月4日

天気予報は両日ともに時々雨の予報でしたがともに晴れ、気温も余りあがらず快適な研修ができたことを報告します。当日の朝国道349号線が常陸太田市小菅で土砂崩れのため通行できないとNHKニュースがあり少々心配しましたが、参加者の皆さんは旧道を通り予定通りの研修会になりました。

クサアジサイ 研修場所の荷見さんの森では野鳥がさえずり、クサアジサイが見事なピンクの花を咲かせいました。またヤマユリの蜜を吸いに飛来するチョウ。花粉が一杯ついているので、”カラスアゲハ“か”オナガアゲハ“の判断に困りましたが。

ヤマユリ ヤマユリとチョウ

あちこちに咲き誇るヤマユリの脇でカメラを待ち構えていると直ぐにアゲハチョウが飛来します。とにかく山の中一面にヤマユリの香りが漂っているのでチョウにはきっと天国のような環境なのでしょうネ。私は花粉症のアレルギーが起きる前に写真が撮影できましたことはとにかくハッピーでした。

その他沢山の野草が観察できましたが、特に花をつけたものは、ミズタマソウ、ミヤマタニソバ、フシグロセンノウ、ウバユリ、コバノカモメズル、トモエソウ、キツネノボタン、オトギリソウやオカトラノオ等々多くて書ききれません。

さらに今年は気温が低い影響か(前回の研修会報告で記述しました「コブシ」の花が少ない年は冷害?)例年うるさい蝉(エゾゼミ)時雨もまばらでした。

1.技術指導と研修場所のご提供

常陸太田市里川町183 荷見泰男氏   同氏の所有林

2.林業研修会の実施

(1)平成18年7月29日(土);ヒノキ1年生林の下刈り

講師の指示;幼木は斜面の等高線に沿い左右に1.5m、上下に1.8mの間隔で植えています。「幼木を切断しないよう、また怪我をしないよう充分に注意して作業をして下さい」と荷見さんからのご指導。

かなりの急斜面に植えられた幼木が、それを深く覆い隠すミゾソバや潅木。それを大鎌や草刈機で取り払うのが下刈です。危うく幼木を切断しそうになり何度か肝を冷やしました。また誤って切ってしまった幼木を、罪の意識にキョロキョロ見回し急いで挿し木をしたのは何度?。

とにかく覆い隠す草の下には何がある?石や倒木そして溝が、作業中は神経の休まる時がありませんでした。それでも山仕事はマイペースが基本です。個人のペースで休息する後姿に“ほっとした様子”が心なし現れていました。

作業後は「ぬく森の湯」へ。ここの温泉はPH10と言われ皮膚の新陳代謝を促すとか。ゆったりと浸かって疲れをとり明日の活力を養いました。

そして夜は荷見さんとお酒(こちらが主)を囲み各自の技術自慢に花が咲き夜遅くまで議論したことは言うまでもありません。

また少し遅くなってから近くの田んぼに出て、荷見さんのお孫さんの指導で「ホタル狩り」をして童心に返って楽しい時間を過ごしました。この山里(?)はまだまだ多くの自然が豊かに残っていました。

(2)7月30日(日)

○午前;ヒノキの下枝切り

研修内容;(1) 安全ベルトの着用法、(2) のこぎりの使用法、(3) 枝の切断位置(枝座の有無)と切断法、(4) 切断する下枝の範囲、(5) 梯子上での作業姿勢、(6) ツルアジサイやクマヤナギの除去等々

下枝切り

最初は梯子なしでの下枝切りの実習です。始めはのこぎりの刃を上手く使えず、切断面もなかなか上手に仕上がらなかったのですが、30分も作業する内にのこぎりを引く音にリズムと快音が聞こえるようになりました。

高枝切り

下枝切りの練習後は梯子に登っての高(?)枝切りの実習でした。梯子に登ると地面に立っているときと全く様子が違い、体のバランスを取るのに神経を使った結果、どうしても「へっぴり腰」になってしまい、あの軽快な"のこぎり音のリズム"はどこへ?。しかし練習の成果は着実に発揮され直ぐに快音が復活。僕の技術も大したものだと自賛して"ほくそ笑"。

*ヒノキの樹皮にネズミの食害と思われる傷があちこちに見られました。

○午後;下刈り

昨日の森で引き続き下刈りをしました。昨日の実習は本日の作業に著しい進歩をもたらし、講師の荷見さんを“サスガ!”と唸らせる場面もあった?

* ここにも何で?とウサギの食害がありました。冬のえさのない時ならいざ知らず何で今の時期草を食べないで幼木を、と荷見さんは絶句!

お疲れさま

3.研修の感想

参加各位の森林作業の感想は、「作業後は森が 綺麗さっぱりしたことに自分が貢献できたこと。 」や「街にいては体験できない大汗をかき心身と もに満足感を得た。」ことでしょうか。

初めて林業体験をした皆さんから感想が寄せられました。

 (1)Nさんの感想

7/29、30の2日間ヒノキ人工林での下刈り、枝打ち作業は「創りこむ森林環境」をまさに現地で体現できた貴重な経験でした。全姿を出した1年生、枝打ちされすっきりした若木、日差しで明るくなった林内、人も木々も“スッキリ”。この気分、支部会員だけでなく次代を担う青少年たちと分かち合える日を目指して、さらに研鑽を積む意欲がますます増幅した2日間でした。

 (2)Hさんの感想

私は2日目のみ参加(筆者注;前夜の酒盛りには参加)しましたが、荷見さんのヒノキ林にて、のこぎりとはしご(?)を使った枝打ちと、刈払い機を使った下刈り(実際は樹木も多かった)を行いました。実際に作業をすることによって、作業時の細かい注意点や道具の使い方のコツも含めて、体験で覚える事ができたし、何より短時間でもその作業の効果が目に見えてわかって、爽快でした。

一般の参加者でも、安全指導をきちんと行えば、森の管理の実際を楽しみながら体験して学べる良いイベントにつながりそうです。

 (3)Wさんの感想

7/29、30に実施された林業技術研修会に参加させていただきました。今回の実習では、刈払い機での下刈り、枝打ち梯子に登り安全ベルトを装着しての枝打ちなど教えていただきました。どれも私には初めての体験でしたので、失敗しないよう緊張の連続でした。

丁度梅雨明けの好天となり汗もたっぷり流しましたが、心地良いそよ風、そして休憩時に交わされる皆さんの楽しい会話に疲れも忘れ、充実した2日間を過ごすことが出来ました。

少しですが、山仕事にふれることの出来た貴重な体験でした。

4.問題

何の実?

右の写真は何の植物の実でしょうか?
(回答は第3回林業研修会の開催案内に)

*ヒント*

庭にも仲間がいます。
“立てば×x×××、座ればボタン…”

*荷見さんの山には沢山生息しています。花の時期は5月頃ですか?
白い花やピンクの花などがあり、ボタン科の植物です。
(名前は山に生息するのでヤマ×x×××ですが。)

過去のトピックス

最終更新日:2006年8月5日
© 全国森林インストラクター会 茨城支部