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秋季定波観察会 実施報告書

2024年9月30日
報告者:石黒 信治

定波地区は、茨城会として毎年春季秋季に実施している観察地です。ブナやミズナラ、コナラ、シラカバ等、様々な樹木が育っている貴重な自然が残る地域です。この地域を毎年定点観察して植物の生態を確認しています。

1. 場所:北茨城市関本町小川の定波地区

2. 日時:2024年9月21日(土)9:22から14:55 天気:小雨霧雨時々曇り

3. 行程:9:22日立南ドライブイン→常磐道日立南太田IC→いわき勿来IC→国道289号→10:55定波地区→12:05(弁当ブナ:昼食)→13:15定波地区発→国道289号→常磐道いわき勿来IC→日立南太田IC→日立南ドライブイン解散14:55

4. 参加者:7名

5. 観察した主な植物等

【木本類】ウリハダカエデ、ブナ、ミズナラ(実生2年目)、イヌブナ、ヒトツバカエデ、ハクウンボク、シラカバ、ハリギリ

【草本類】タガネソウ葉(カヤツリグサ科)、ハナタデ、ヤエムグラ、ミズヒキ、ケチヂミザサ実、ノブキ実、キバナアキギリ花、オヤリハグマ花、カシワバハグマ花、クサアジサイ葉、アキノキリンソウ花、オクモミジハグマ花、ウスゲタマブキ花、オタカラコウ葉、ヤマジノホトトギス葉、ツリフネソウ花、ユキザサ実、サイハイラン葉、チゴユリ実、エイザンスミレ葉、ウバユリ実、レンゲショウマ実、オオバショウマ花、ユウガギク花、 ダイコンソウ花、オオカニコウモリ花(県準絶滅危惧)、アキノギンリョウソウ(腐生植物)

【シダ類他】シシガシラ(シダ類)、ムラサキシメジ(菌類)、チチタケ(菌類)

6. 感想など

今回、ミズナラ実生は確認できたが、昨年4年ぶりに確認できたブナ実生は、確認できなかった。昨年確認できたレンゲショウマは果実ではあるが今回も確認できた。9月も残暑が続きいつも見られるフシグロセンノウ等の花は見られなかった。定波地区は、キク科植物、特にハグマと名の付くものが多い。このハグマという名前は、高僧が持つ仏具(白熊;はぐま)の飾りについている動物ヤクの尾毛に花が似ていることから付いたと言われている。この地区は希少植物が見られ自然が維持されている。今回参加者7名中、定波観察会初めての参加者が4名で昼食時の通称弁当ブナの大きさに驚いていた。

今回小雨の天気で早めに切り上げ帰路に就いた。観察時間も短く、範囲も限られ、定量定性の観察活動も十分でないが、今後も年1回程度は定波地区定点観察を続けていきたい。

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オオカニコウモリ(県準絶滅危惧種) ミズナラ実生 通称弁当ブナ巨木前
オオカニコウモリ
(県準絶滅危惧種)
ミズナラ実生通称弁当ブナ巨木前
最終更新日:2025年3月30日
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