佐白山観察会 実施報告書
2024年5月25日
報告者:石黒 信治
佐白山地区は、茨城会として昨年に続き今年も実施した。この地区は、スダジイやシラカシの常緑広葉樹自然林とスギなどの人工林が混在している。林内には湧水も見られ湿潤な自然環境の為、シダ類、コケ類等も多く確認できる。
1. 場所:笠間市佐白山地区
2. 日時:2024年5月18日(土)9:45~14:10 天気:晴れ 事前調査;5月15日
3. 観察ルート:公営笠間稲荷駐車場⇒山麓公園⇒治功神社⇒登山道⇒鉢巻の道(反時計回り)⇒トンネル⇒城址公園(本丸跡)⇒千人溜(昼食)⇒大黒石⇒水源を通る道⇒山麓公園⇒公営笠間稲荷駐車場(①地図参照)
4. 参加者:5名 (事前調査2名)
5. 観察植物
木本類;シラカシ、アワブキ、コアジサイ、サカキ、ヒサカキ、エンコウカエデ、ネズミモチ、コウヤボウキ、イタビカズラ、バイカツツジ、ヤブムラサキ、ウラジロ、アズマザサ、ヒイラギ、テイカカズラ花、ヤブツバキ、アオキオトコヨウゾメ、アカシデ、アマチャズル、カラスザンショウ、ホオノキ、ケンポナシ、ハリギリ、シラキ、ウリノキ、アオハダ、コバノガマズミ、イロハモミジ、スイカズラ花、イブキ、イタヤカエデ、ハナイカダ、ヤブデマリ花、スダジイ、ミヤコザサ、クマザサ、サネカズラ、ムラサキシキブ、シロダモ
草本類;ヤマユリ、オニタビラコ、ホウチャクソウ、チゴユリ、ウメガサソウ木本類、フユイチゴ葉、キンラン花枯、ヤブミョウガ、オカタツナミソウ、コバギボウシ(ウルイ)、カシワバハグマ、ミヤマナルコユリ、タチシオデ、ツルアリドオシ、スミレ閉鎖花、オオバノトンボソウ、ウスギムヨウラン絶滅危惧1B類、ウバユリ葉、ミヤマカタバミ、キクバドコロ、キバナアキギリ葉、ウワバミソウ花、セントウソウ葉、ヤマジノホホトギス葉、カラムシ、オドリコソウ、ヤブニンジン、サイハイラン花、サラシナショウマ葉、エイザンスミレ葉、フタリシズカ花序2~5本、タチシオデ、クモラン絶滅危惧1B類、ヤマブキショウマ花、ヤブタビラコ、オクモミジハグマ葉、クモキリソウ
コケ類、スダ類;アカイチイゴケ、マメヅタ、ナガバノヤブソテツ、ノキシノブ、ミツデウラボシ、 ヤマイタチシダ
昆虫その他;ウスタビガの幼虫
6. 感想など
今回の佐白山地区は、環境省が整備した「関東ふれあい道」茨城県18コースの一つであり歴史と自然に恵まれた地区となって多くのハイカーに利用されています。実際、当日笠間駅に参加者を迎えに行った時、4~5組のハイカーが駅から出てきてそれぞれの方向に歩きだしていました。昼に千人溜駐車場に着いた時には2~3組のハイカーが佐白山山頂へ向かっていました。
今回、佐白山中腹の通称「鉢巻の道」を半時計回りでほぼ1周しました。以前、この道は車の通行ができたと聞いています。現在は人のみの遊歩道となって近隣者の散歩道になっています。この道でウメガサソウ、ウスギムヨウラン等を観察することが出来ました。特に、ウスギムヨウランは、この東側道筋で確認出来ました。遊歩道沿いには、巨木のシラカシ、スダジイ等が数多く見られます。落ち葉の多い道端で、1か所確認すると付近に数多く見つかりました。ほぼ1周したところにある薄暗いトンネル付近では、マメヅタ、ナガバノヤブソテツ、ミツデウラボシ等シダ類が多く確認できました。
昼食後、水源を通る道付近で、モミの落枝数本にクモランを確認しました。この場所は、3年前、別の観察会で、クモランの他、カヤランも確認することが出来きました。近くのモミ上部に多く生育している可能性があります。
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①佐白山地区の地図 | ②ウスギムヨウラン(絶滅危惧1B) |
③クモラン(モミ落枝)(県絶危惧1B) | ④参加者集合写真 |