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定波観察会 実施報告書

2024年4月29日
報告者:石黒信治

定波地区は、茨城会として毎年春秋に実施している観察地です。ブナやミズナラ、コナラ、シラカバ等、様々な樹木が育っている貴重な自然が残る地域です。この地域を毎年定点観察して植物の生態を確認しています。

1. 場所:北茨城市関本町小川の定波地区

2. 日時:2024年4月21日(日)9:30から15:20 天気:晴れ 事前調査:4月16日(火)

3. 行程:9:30日立南ドライブイン→常磐道日立南太田IC→いわき勿来IC→国道289号→11:00定波地区(昼食)13:45→国道289号→常磐道いわき勿来IC→日立南太田IC→日立南ドライブイン解散15:30

4. 参加者:4名(事前調査2名)

5. 観察した主な植物等

【木本類】ブナ、イヌブナ、ミズナラ、リョウブ、ウグイスカグラ

【草本類】スルガキクバスミレ、シロバナタチツボスミレ、キクザキイチゲ、バイケイソウ葉、ヤマネコノメソウ、ヒトリシズカ、カタクリ花果実、モミジハグマ葉、フデリンドウ蕾、タネツケバナ、ウバユリ葉、マキノスミレ、マイヅルソウ、ノブキ葉、ウスバサイシン、セントウソウ、ツクバネソウ葉、イチヤクソウ葉、ヒゲネワチガイソウ、ユキサギ蕾、ダイコンソウ葉、ヤマタイミンガサ葉、ヤマエンゴサク、コチャルメルソウ、シロバナエンレイソウ(県準絶滅危惧種)、ルイヨウボタン蕾花、サイハイラン葉、ハコベ、ミヤマハコベ、エイザンスミレ、タチツボスミレ、コセリバオウレン(県準絶滅危惧種)

【コケ類】コウヤノマンネングサ(県準絶滅危惧種)

6. 感想など

今回は、新たに福島県側も観察し、シロバナエンレイソウ群生、コセリバオウレンも新規に確認することが出来た。事前調査時には、カタクリの花が丁度満開であり、スルガキクバスミレは3株あり開花していた。一方ルイヨウボタンは蕾状態で葉も十分開いていなかった。5日後の観察会ではカタクリが一部果実(蒴果)をつけていた。スルガキクバスミレの花が一部枯れていた。ルイヨウボタンは一部開花していた。定波地区は、例年に比べ、野草の開花が遅くここ数日気温が高かった為、5日間で一気に結実したものや、開花が始まったものがあった。

昨年秋に確認したレンゲショウマ群生は、葉すら確認することが出来なかった。シカが好むヤマタイミンガサの群生が見られ、この地区は未だシカ害が及んでいない様である。

今回、観察会当日「いばーるIBaR」(茨城の山を歩こう)という10数名の集団にこの地区で出会った。自然観察をしている団体の様である。定波地区周辺は、太陽光発電設備や風力発電設備が設置され、道路も整備され日々環境が変化している。以前自転車でツーリングしているグループも見かけた。この地区も少しずつ変化していると感じた。

シロバナエンレイソウ
(平井氏撮影)
コセリバオウレン
(事前調査時)
弁当
ブナ巨木前
シロバナエンレイソウ<br>(平井氏撮影) コセリバオウレン<br>(事前調査時) 弁当<br>ブナ巨木前
最終更新日:2024年5月9日
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