ロゴマーク森林インストラクター茨城
トピックス

定波観察会 実施報告書

定波地区は、茨城会として毎年春秋に実施している観察地です。ブナやミズナラ、コナラ、シラカバ等、様々な樹木が育っている貴重な自然が残る地域です。この地域を毎年定点観察して植物の生態を確認しています。

1. 場所:北茨城市関本町小川の定波地区

2. 日時:2023年4月23日(日)9:25から15:30 天気:晴れ

3. 行程:9:25 日立南ドライブイン→常磐道日立南太田IC→いわき勿来IC→国道289号→11:00 定波地区 (昼食) 13:55 国道289号→常磐道いわき勿来IC→日立南太田IC→日立南ドライブイン解散 15:30

4. 参加者:5名(会員)

5. 観察した主な植物等

【木本類】モミジイチゴ、イワガラミ、ウグイスカグラ、コバノガマズミ、ヤマブキ、ブナ(実生)、イヌブナ(実生)、ミズナラ(実生)、ウコギ、リョウブ、ウリカエデ、ヒナウチワカエデ

【草本類】タチツボスミレ、マキノスミレ葉、エイザンスミレ、アケボノスミレ、ヒナスミレ、スルガキクバスミレ(又はオクタマスミレ)、フモトスミレ葉、ムラサキケマン、ダイコンソウ葉、ツルキンバイ、バイケイソウ葉、ウバユリ葉、ツクバキンモンソウ葉、ニッコウネコノメソウ、ヤマネコノメソウ、ユキザサ、ノブキ葉、カニコウモリ葉、マルバコンロウソウ、ミヤマハコベ、キバナアキギリ葉、ヤマエンゴサク、ミツバツチグリ、シロバナエンレイソウ(県準絶滅危惧種)、ルイヨウボタン(群生)、コチャルメルソウ、ラショウモンカズラ、シャク、サイハイラン葉、コバノギボウシ葉、カタクリ、ヤマタイミンガサ葉(群生)、フクオウソウ葉、ワチガイソウ、ヒトリシズカ、キクザキイチゲ葉、オトギリソウ、ツクバネソウ、ツルカノコソウ、ウワバミソウ

【シダ類他】イノデ、タガネソウ葉、スズタケ、コウヤノマンネングサ(コケ類、県準絶滅危惧種)

6. 感想など

2019年春から見られなかったブナ実生やシロバナエンレイソウを今回確認できた。また、新規にコウヤノマンネングサが確認できた。他県でシカ害の為、少なくなっているというヤマタイミンガサの群生地も維持されている。定波地区も温暖化影響はあるが、何とか自然の循環が維持されているのだろう。

今回スルガキクバスミレ(又はオクタマスミレ)の株を確認したが、確実なスミレの同定までは至らなかった。スルガキクバスミレは、エイザンスミレとフモトスミレの雑種と云われ、オクタマスミレは、エイザンスミレとヒナスミレの雑種と云われている。今後の観察で、スミレの同定を進めていきたい。

定波地区周辺も、太陽光発電設備や風力発電設備が整備され、森林の伐採が行われている。伐採等によりシカの移動や繁殖が促進されないかと、危惧している。観察期間が短く範囲も限られ、定性定量の観察活動も十分でないが、定波地区を定点観察して今後も植物生態を見守っていきたい。

スルガキクバスミレ
又はオクタマスミレ
ブナ実生 ブナ巨木前
photo01 photo02 photo03
(事前調査時撮影4月19日)
最終更新日:2023年5月3日
© 森林インストラクター茨城