八溝山観察会 実施報告
- 場所:久慈郡大子町 八溝山
- 日時:2014年6月14日(土)9:00~15:40 天気:晴れ
- 参加者:会員11名
- 観察コース:日輪寺入口→八溝五水の金性水→日輪寺入口(昼食)→八溝嶺神社→八溝山頂(記念写真)→鹿又林道入口より久慈川源流に向け下り・登り→入口付近散策→散会
当初計画した6月7日は、梅雨入り直後の大雨のため観察会を中止した。1週間後に延期したことにより、参加者は若干少なくなったが、当日は梅雨の合間の好天に恵まれ、良い観察日和となった。八溝山林道の途中、日輪寺入口に駐車、そこから登りの道で観察を開始した。
八溝山はカエデの数が多く、秋の紅葉は見事。今回案内をお願いしたH講師から、予めカエデ等に関する詳細な資料の配布があり、緑の葉や幹の特徴を確認しながら観察を進めた。最初に遭遇したのはエンコウカエデ、漢字で表わすと猿候楓と、そしてイタヤカエデが続く。木々は緑におおわれ、ウラジロノキ、シラキなどの間にコアジサイの青紫色の花がそこここに。
湧水群入口からはミヤコザサにおおわれた道端に、エイザンスミレ、タツナミソウ、ヤマブキソウなどが観察できた。カエデ類はウリハダカエデ、オオモミジのちがいを知る。ブナの大木を前に太平洋側と日本海側のブナの違い、八溝のブナはヤミゾブナと称して特徴がある事を教えてもらう。ササの奥にギンリョウソウ、フクオウソウが見つかり、写真に収める。
林間の奥からホトトギス、シジュウカラ、ミソサザイの鳴き声が聞こえ、珍しいジュウイチの鳴き声を聞くことが出来た。カエデ類もコハウチワカエデ、チドリノキ、ミネカエデと続いた。
八溝五水の一つ、金性水に着き一休みをとる。昨日の雨で水量が出ている水を手に受けて飲む。おいしいこと。ここまでの1km弱の行程に2時間半掛ける、入念でスローペースの観察となった。
自動車道に出て、元の日輪寺入口に歩いて戻る間も観察の時間を取り、着いてから遅い昼食となる。少し汗ばんだ体に涼しい風が当たりヤッケをはおる人も。車に乗り八溝山頂へ向かう。山頂下の駐車場に車を停めて、八溝嶺神社に参拝し、山頂で記念写真を撮る。展望台に登ると、晴れた空の彼方に筑波山、日光白根連山、男体山、那須岳、太平洋まで見られた。頂上付近にはニッコウキスゲが見られ、オオイタヤメイゲツ、アサノハカエデにも会えた。
少し車で下り、駐車場の先の鹿又林道入口から急斜面を下ると、ブナ、ミズナラの林の先にシロヤシオ、トウゴクミツバツツジがすでに花を終えて並んでいる。資料にあるナンキンナナカマドを見る予定であったが、時間の関係でまたの機会に訪れることとして、林道入口に戻り付近を散策した後、散会した。
良い案内に恵まれ、楽しい観察会であった。秋や来春に又訪れたいと皆様から要望があった。
(文:MS)