筑波山で秋の花を探そう(実施報告)
実施日:平成25年9月12日(木) 天気:晴れ 気温:22℃ 湿度:70%
観察コース:自然研究路から男体山と御幸ヶ原の紫峰杉とブナの大木
一般参加者:12名 準会員6名、会員4名 22名
観察当日は早朝から快晴で写真のとおり、筑波山は雲ひとつなく晴れ渡りました。集合場所のケーブルカー山頂駅では湿度が少し高かったですが気持ちの良い観察日和になりました。集合時間には全員が集まり、挨拶、自己紹介の後、安全対策の話をしました。その後、会員の藤原さんのリードで簡単ストレッチ体操をし、体を柔らかくしてから、2グループに別れ、観察を開始しました。
最初は男体山の登り口手前でシモツケ、キンミズヒキを観察、その後まだ咲き残っているツクバトリカブトとジャコウソウの花、コアカソ、ノブキの花と果実などを観察しながら自然研究路へと進みました。夏から秋へと切り替わりつつある植物の花は場所を変えながら移り咲いており、下見時からずれて咲く花々も多くありました。「探そう」の名のとおり、皆さんの多くの眼で観察すると、キバナアキギリも見つかり、オクモミジハグマは多数、花を見つけるたびに歩みを止め会員の解説や質問も交えながら、階段路をゆっくり登って行きました。石の階段を登り切ったところで岩肌に張り付いているつる状植物はテイカカズラではなくツルマサキで、違いを確認し、アブラチャン、キブシ、エゴノキ、マユミ、シキミ、ミヤマシキミ、ツクバネの果実を観察しました。花は終わりすでに実をつけはじめたヤマジノホトトギス、タマガワホトトギス、花が終わったコバギボウシやイワタバコの葉を観察。途中、展望台で休憩しながら進むと、岩場付近ではキハギ、花がまだ残っているクサギ、アオハダの赤い果実、アオダモの翼果、アカシデ、クマシデの果穂などが見られました。
自然研究路の折り返しの大石重ね付近では、ミズタマソウの花と実とオオヒナノウスツボの残り少ない花を確認したり、通りがかりのハイカーにノササゲを教えてあげたりしながら、折り返してゆっくり階段道を登りはじめました。折り返し地点からは草本の花は期待できず、すでに花期が終わったコアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイを確認。視点は落葉樹の観察になり、ブナ、イヌブナ、ミズナラ、コナラ、イロハモミジ、オオモミジ、ウリハダカエデ、チドリノキ、ヒトツバカエデの葉や果実を観察しました。自然研究路の出口手前にはアズマレイジンソウの花が咲いていて、初めて見る人も多く予定の12時を少し過ぎて午前中の観察を終了しました。
トイレ休憩後昼食場所に移動中も観察。花が終わり果実をつけたボタンヅルと隣り合わせにセンニンソウの花があり、比較観察に好都合でした。道路両脇のノブキ、キンミズヒキ、ミズヒキ、タイアザミの花を見ながらブナ広場に行き、昼食を摂りました。午後は一路、男体山頂上を目指し観察を開始し、マユミ、ツリバナ、アオダモの果実、オヤマボクチの花、まだ花が少ないアキノキリンソウ、アサマヒゴタイの花、実をつけたオオナルコユリを見ながら岩場を登り標高差で観察できる植物の違いもわかりました。この時期に多く発生していたタマゴタケや毒のあるシロタマゴテングタケも観察できました。頂上付近で春に咲くホシザキユキノシタの葉を確認して下山。御幸ヶ原に戻ってから、最後の観察場所の筑波山の男女川源流へと下りました。ここではツル性の植物でヤマノイモ、ボタンヅル、ツルニンジン、ヤマホロシの花や実を確認後、推定樹齢約200年弱のブナの大木と最後に推定樹齢約800年の紫峰杉40mノ樹形を堪能して観察会を終了しました。
(文責:山口 写真:杉山、山口)
〇快晴の筑波山(神郡付近より) |
〇筑波山 男体山頂上 |
〇ストレッチ体操 |
〇皆さんでまとまり観察 |
〇狭い林道は一列に並んで観察 |
〇参加された皆さま(御幸ヶ原にて) |
〇紫峰杉(推定樹齢800年)40m |
観察した植物の一部
〇オオヒナノウスツボ(花) |
〇ツクバトリカブト(花) |
〇ミズタマソウ(花と果実) |
〇キバナアキギリ(花) |
〇ヤマホロシ(花と果実) |
〇ツルニンジン(花) |
〇アズマレイジンソウ(花) |
〇キハギ(花) |
〇アサマヒゴタイ(花) |
〇ツクバネ(果実) |
〇ジャコウソウ(花) |
〇クサギ(花) |