「筑波山の森で夏の昆虫を探そう」実施報告
筑波ふれあいの里で夏の昆虫を探す観察会を7月27日に実施しました。
天気も不安定な予報で夕方は雷雨の注意報が出されましたが、曇り空のなか、早くから28名の小学生とご家族の皆さまにお集まりいただき、予定どおり9時半より実施しました。
昨年とは逆のコースと新しい観察場所を追加し、最初はクヌギの林ヘ向かって下りました。オニヤンマが低く飛び虫を捕らえる瞬間を見たりしながら、何とか捕れないかと挑戦しますが早い飛翔でなかなか捕れません。
水路沿いを下りながら、オオシオカラトンボを捕らえ、シオカラとの違いなど特徴の説明。トンボの翅の押さえ方を説明したり、昆虫を捕らえる網の使いかたも説明。
クヌギ林に入りましたが、曇天の中、目立って大きな昆虫がいないため、草地のある場所に移動。するとチョウ類が出はじめ、バッタの幼虫も飛びだし、徐々に皆さんが捕虫網を振り、夢中で追いかけ始めました。次に水辺のある又次沢に移動し、ミヤマカワトンボなどを待ちましたが現れません。エゴノキの実がある木でエゴノツルクビオトシブミの葉の揺籃(ゆりかご)を探し、事前に用意した説明パネルで「ゆりかご」の主を説明。次に隣合わせにあるエノキでオオムラサキの幼虫からサナギ、6月下旬に羽化した蛹の抜け殻を観察しながら、エノキと暮らす様々な昆虫の生活を説明パネルで解説。探ませんでしたがエノキの樹上に多数のナナフシモドキが目立たない枝のように止まっていることを話しました。
次に、コースの最後である開けた林縁にクヌギやコナラなどが多い雑木林と、広く開かれた草地に向かいました。この場所は今回一番楽しめる広さがあり、皆さん昆虫探しに夢中になりながら、捕虫網を振りまわす人やじっくり樹木の幹や枝を探す家族など、それぞれお目当ての昆虫探しに専念しました。草地一杯に参加者が広がりましたので、皆さんが何を探し出したのか最後までわかりませんでした。
途中、大型のミヤマクワガタ、ゴマダラカミキリやウスバカミキリに出会え、少し大きなジャノメチョウはたくさん飛びました。バッタ類はトノサマバッタ、クルマバッタ、クルマバッタモドキ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、エンマコオロギ、クサキリ、コバネイナゴ、ヒナバッタ、オンブバッタ、ミカドフキバッタ、オオカマキリなどの幼虫が多数出現しました。いつもより少なかったヤマトシジミ、ベニシジミなど小型のチョウやモンキチョウ、トンボはオニヤンマが多数とシオカラトンボとアキアカネ、オオヒラタシデムシの幼虫、成虫やキマワリ等も虫かごの中に入っていました。曇天と花が少ないため、大型のチョウがあまり出ませんでした。
イギリスから夏休み帰省の家族の女子は、捕まえたニホントカゲの幼体が気に入り、最後までペットのように手のひらに乗せかわいがっていました。皆さんの多くの眼で探すとひとりでは探せなかった昆虫が多数見つかることがわかりました。
最後にカキノキのある日蔭のデッキに腰かけて休憩後、皆さんが捕らえた虫かごの中の昆虫類を一匹ずつ出し昆虫の名前を紹介しながら、森に放してあげました。皆さんで探しだした昆虫類の数は50種類以上もなりました。
終了の12時頃には晴れてさらに暑くなりましたが、熱中症や体調が悪くなったり怪我をした人もなく、最後に参加の皆さんの写真を撮り、挨拶をして無事終了しました。
また、参加された保護者様からお礼の感想メールをいただきました。
- 昆虫観察会では、楽しい1日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
- 虫とりを楽しむ子供たちの姿を久しぶりに見たような気がします。
- 最後のミニ草原での昆虫採集はそれぞれが好きな昆虫を追うことができ、よかったと思います。
- 参加者の質問に丁寧に答えていらした森林インストラクターの皆さまの姿に感心しました。
筑波山が見える草原で家族一緒に夢中で昆虫探しができた楽しい観察会でした。
〇筑波山が望める草原で自由に探す子供たちと、林縁の木の枝の昆虫を見つけた家族の写真を撮る様子 |
〇休憩と自分が捕った昆虫の確認と昆虫の説明。手にのせたウスバカミキリの説明 |
〇皆で見つけた昆虫の名前の説明とオニヤンマの翅の持ち方の説明 |
参加された皆さま |