森の木たんけん「高崎自然の森」実施報告
日時:2013年5月25日(土)9時30分〜12時30分
天気:晴れ 気温20〜23°C
場所:つくば市「高崎自然の森」
参加者:4名 会員6名 10名
観察会当日は晴天に恵まれました。気温も上がり、天気も良いため、昆虫の出現に期待しました。
予定の9時半には参加者が休憩所に集合後、自己紹介とハチや怪我などの安全対策を説明し全員で観察対象の樹木と昆虫に出会えそうなポイントヘ移動しました。
最初にサワフタギの葉を食べて育つシロシタホタルガの幼虫を探しましたが、すでに葉を包み込み蛹化(サナギになる準備)に入っているものが多く、その場では幼虫を観察できませんでした。次の観察ポイントでクリの葉の揺籃(ゆりかご)を探してみました。最初は見つけられませんでしたが、下からよく探すときれいに巻いた葉っぱの揺籃をみんなで発見できました。切り方と巻き方から、この揺籃はクリやクヌギを食草として利用する「ゴマダラオトシブミ」であることを写真の説明資料で解説しました。併せて、クリとクヌギの葉や実の違いなど樹木の特徴も学習しました。
近くに10数本のケヤキがあり、その葉にも揺籃を発見しました。葉の切り方や巻き方が違うのを勉強し、このケヤキの葉を利用した主は「ルイスアシナガオトシブミ」でしょうと説明し、ケヤキの木の特徴も観察しました。次に林縁のクズが生い茂りはじめた雑草地ヘと移動し、クズの葉上や葉裏を観察して、下見時に多数確認していたヒメシロコブゾウムシを探しました。やっと見つけると、あとは次から次へと多数発見できました。カップルはいませんでしたが、ヒメシロコブゾウムシを手に乗せ、目を見たりしてカワイイと小6女子2人が喜んでいました。
また、雑草地では大きなバッタを発見してびっくり! 越冬したツチイナゴでした。このツチイナゴもクズが大好きです。ここにはハルジオンやシロツメクサも花を付けていて、多数の昆虫が花粉や蜜を吸いに訪れていました。ハナムグリがハルジオンの花粉を一生懸命食べ、セイヨウミツバチやハナアブ等は花から花へと移動していました。私たちも次の観察ポイントヘ移動、花が満開を過ぎ始めたエゴノキの下に集まりました。
エゴノキの枝にヒメヤママユ(ガ)の大きな幼虫がしっかり抱きついているのを見て、昆虫大好き少年は大喜びでした。さらにオトシブミの揺籃を探しはじめると、大人の身長の高さから2.5メートル位の枝先に近い葉に多数発見。この揺籃の主は「エゴツルクビオトシブミ」で、数日前の下見時に成虫の雌を確認後、写真に撮っていました。
観察に熱心のあまり時間が遅れはじめたため、急いで次の観察ポイントヘ移動後にイボタノキやエノキを観察していると、一瞬ですがエノキの樹上にゴマダラチョウが一頭舞い上がったのを確認しました。
クヌギの葉にいたマイマイガの幼虫(ガ)を観察してから、水辺に降りはじめると突然ギンヤンマが現れました。捕虫網を持ちかまえて振りましたが、素早い飛翔で逃げられ残念でした。次に、日陰の多い野鳥の森の林内に入ると、日陰が好きなチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメジャノメなどが群れていました。クヌギの下部の樹液が出ているところにチョウやオオスズメバチが登場し危険なのでハチを一頭捕獲後、速やかにそこを離れ、涼しい林内を抜けて予定より30分遅れの11時30分に休憩所ヘ到着しました。
観察後の確認として、10種類の樹木等の葉や花、実をまとめた写真のシートと、別にまとめた昆虫の成虫、幼虫、サナギの写真のシートを使い、食草と昆虫の組み合わせを当てるクイズに挑戦しました。観察できなかった3種類以外は正解でした。
そのあと、時間があまりありませんでしたが、昆虫と葉の写真やサンプルを利用し、ラミネートした栞や下敷きを作成。自分オリジナルのクラフトを完成させました。
最後に終了の挨拶と感想を話していただいて写真を撮り、無事終了することが出来ました。
参加いただきました皆さま方、本当にありがとうございました。
(文責 山口、写真 杉山、平井)