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「野鳥観察会in県民の森」の実施報告

昨年は大雪の中での観察会で、素晴らしい雪景色と沢山の野鳥が見られましたが、今年は氷点下での寒い、そして野鳥の姿が少ない観察会になってしまいました。それでも20名限定の一般参加者は19名も、そして会員は南から遠方の千葉県柏市、北から日立市で7名もの皆さんが参加してくれました。皆さん、ご協力有難うございました。

スケートを楽しむ水鳥」
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カルガモヒドリガモ

1.実施日と時間  1月15日(日) 午前9時〜12時まで

2.観察地      県民の森(那珂市)

3.参加者      26名

4.観察した野鳥

マガモ(本物と青首アヒル)、カルガモ、ヒドリガモ(当地で初観察)、オナガガモ(オス・メス)、トビ、キジバト、コゲラ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カシラダカ、アオジ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラスの17(+2)種類。カッコ内の2種類はカシラダカとスズメですが、鳥合わせ後に観察したもので合計は19種類でした。

5.特記事項

(1) ヒドリガモは2001年から記録していますが初の観察で、"ハッピー!"

(2) ムササビの生息場所は2か所ありますが、今回姿は見られなかったのは残念でした。

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6.観察風景

きっと氷点下の森だったのでしょう!寒〜イ、寒〜イ、の思いばかりで頬はツッパッテ痛い・・・。

歩き始めてヒヨドリ以外の野鳥に初めて遭遇しました。それも松の木の上を飛び回る小さな野鳥。"アツ!エナガだ。"とようやく笑顔が・・・。

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向こうの鉄塔にトビが沢山いだが・・・キジバトが3羽も!
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コゲラが2羽も並んでいる!

上の写真は数年前まで沢山の「トビ」が観察できたが、今は、全く見られず残念!と話だけ。

右上の写真は落ち葉の上で餌を探す「キジバト」が3羽。いつもだったら、キジバト?・・・といった感じであまり熱心に見ないのですが、今回ばかりはヨ〜ク!双眼鏡を覗き込んで、首の脇にある色の変わった羽まで見て、フーン!と飽きもしないで見とれていました。

右の写真は松の試験林での風景です。"ギー!ギー!"の鳴き声に目をやると、2羽のコゲラ(小啄木鳥)が上下に並んで動き回っていました。見ているとマツの赤い樹皮を剥いで、ボロッ、ボロット!落ちてくる。こんなに熱心に樹皮を剥いで餌を探すコゲラに初めてお目にかかりました。コゲラなんて街の中でも、あの特徴ある鳴き声をよく耳にし、目にする野鳥なので目新しくもないのですが、今日はコゲラにとって特別注目される日になり、キット喜んでいると思います。

7.感想

参加者などから、今年は東日本大災害の影響で野鳥が少ないとの話が囁かれていました。しかし私の感じでは地震の影響より、気温が低く乾燥していることが大きく影響しているのではないかと思っています。観察会に先立って1月11日に下見した時にも、例年20種類以上は見られたのですが、今回は15種類だけでした。そこで昨年と今年の1月1日から15日までの最低気温を比較してみたら、"なんと!2.5℃"も平均気温が下回っていました。昨年11月の朝日新聞は、"気象庁が「ラニーニャ」を予測し寒い冬になる。"と発表していましたが、気象予報が当たるのは良いことですが、野鳥が少ないのは観察会を楽しむ参加者には残念なこと。

県民の森ではこの数年、林床の下刈りがすすみ、また枯れ木や笹・藪などが整理され、さらに遊歩道を作るために多くの樹木を切った影響か、アカゲラ、アオゲラ、マヒワ、シメ、また、ビンズイ、ウグイス、コジュケイ、シロハラ、ホオジロなどの野鳥が姿を見せる機会が少なくなりました。さらにルリビタキ、キセキレイなどは全く見られません。"いつの日か戻って来て欲しい。"

写真の提供:鳥羽、山口、杉山の3氏  報告:林

最終更新日:2012年1月21日
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