第6回林業研修の実施報告
9月24日は見事に晴れました。前日の天気予報も、西の空からの「観天望気」でも"間違いのない晴れ!" 久し振りに心地よく楽しい林業研修ができました。9月は残暑の厳しい時期ですが、枝打ちは激しい動きもなく気温も低かったせいか、午前中の作業を終えて汗も出ず、作業着を替えなくとも快適に昼食ができました。
1.日 程 9月24日(土) 9時半〜15時半まで
今回山主さんの慶事に、会の有志が置き時計とバラの花束を記念に贈りました。
2.参加者 一般はゼロ。会員は高橋、杉山、阿萬の各氏と林(報告)の計4名。
3.作業内容
(1)午前 全員でヒノキとスギの枝打ち
右の写真は枝打ち後のヒノキの森です。
(2)午後 枝打ちと間伐
間伐は阿萬さんと山主さんのみが実施。
4.研修後の感想
観察した植物は多数ありますが、今回の報告は少し趣向を変えてお知らせします。
(1)樹木を絞め殺す各種「ツル」
イワガラミ(右の写真)が一番多く見られ、若い樹皮食い込んでいました。次はツルアジサイですがこちらはイワガラミほどの被害はありません。しかしクマヤナギはあまり多くないですが、被害は甚大で深く樹皮に食い込んでいました。
(2)ツリフネソウ
この森ではツリフネソウとキツリフネの両方が並んで咲いています。どちらかというとキツリフネの方が1週間ほど開花は遅いようです。そしてこの両者の見分け方ですが、下の写真(左がツリフネソウで右がキツリフネ)に見られるように、ツリフネソウの葉の鋸歯は細かく鋭い形状をし、キツリフネは少し大き目の鋸歯で先端は丸い形状です。葉の色もキツリフネは少し灰色がかっています。
(3)タマアジサイ
今が盛りと咲いていました。アジサイの仲間は周辺にある「装飾花」に面白い性質があります。この装飾花は"雄しべ"も"雌しべ"も退化しています。
中央部の花が受粉を終えると180度回転して下向きになります。右の写真はその変化を示します。①左下は上を向き、②右上は回転を始め90度に、③右下は既に180度回転を終了。この理由は雌しべが受粉すると種子を飛ばすために邪魔な装飾花を下向きに180度回転し避けると考えられます。これは私が観察した結果の"林説"ですが、皆さんはどのように思いますか? これは色々なアジサイの仲間に共通の性質です。
(4)その他
左下はカメバヒキオコシの花であまり見かけませんが、荷見の森では多数見られます。また右下はソウシシヨウ(トチバ)ニンジンです。果実の先端が黒いのが特徴で低山(千メートル程度)に生息するトチバニンジンの仲間です。(トチバニンジンは誤りで訂正しました。)
(林 記)