春の筑波山観察会
今年の春ほど寒暖の差が大きく、その繰り返しが遅くまで続いた年はあまり記憶にありません。
そんな中でも4月8日は穏やかに晴れ上がり絶好の観察日よりになりました。
つくば高原キャンプ場に集合した参加者は5つのグループに分かれ9時30分、カタクリ、キクザキイチゲを初めヒナワチガイソウ、ユリワサビ、アオイスミレ、セントウソウ等を両側に見ながら観察を開始しました。
それにしても裏筑波のキクザキイチゲはそれぞれが紅色から紫色の濃淡の個体であって、どの花を見てもひとりでに可愛い、きれいの声が漏れてきます。キブシ、アブラチャン、アオキ、ミヤマシキミ等の樹木が雌雄異株であることを確認しながら進むと、針金のようなカタクリ1年生の芽だしから開花に至るまでの年代別のもの、今朝、顔を出したばかりのようで葉もツボミも赤褐色のもの、落ち葉を突き抜けて顔を出したものなど皆さんの興味は絶える事がなかったようです。
山頂は好天に恵まれて平日にもかかわらず多くの観光客で賑わっていました。御幸ヶ原への道端にはフモトスミレ、ツルキンバイも顔をだしていました。カタクリ園はさすがにほぼ満開状態。御幸ヶ原で昼食(11:45〜12:45)。
スプリングエフェメラルと言われる花々は地上生活が短いことから、地下にいる時からツボミを充実させているようです。防火帯を過ぎた辺りからはブナ、ミズナラ、アワブキ、ハクウンボク、シデ等の落葉樹林の林床に多くのカタクリが開花を待っています。個体が増えているように感じたのは私だけでしょうか。芽吹き始めた紅色のヒトツバカエデには感嘆の声が上りました。山頂で昼食を済ませてYH跡へと下った車道脇からはヒナスミレ、エイザンスミレ、ナガバノスミレサイシン、トウゴクサバノオ、ハルトラノオ、エンレイソウ、ミヤマカタバミ等が多く見られ、花につられて2時半には無事キャンプ場に戻りました。
道路下の斜面に改めて花々を確認、全員が記念写真に収まって3時解散となりました。参加者、引率のインストラクターの皆さま、有難うございました。
(文 インストラクター 柿崎瑞枝)
参加された方々からの感想文を掲載致します。
平地では桜が満開でも筑波山は春浅い風情。冬木立のなだらかな山道を行く。そして解りやすく説明してくださる森林インストラクターのお話を聞きながらゆっくりと歩く。山登りの苦手な私にとっては心地よく歩けるハイキング。空を見上げると冬木立の中にキブシの花、青空に映えて本当に美しい。足元には今日のメインのカタクリの花、うつむきかげんにかれん。かわいらしいニリン草、どこか気品のあるキクザキイチゲ、名前も忘れましたがワサビのあじがするかれんな花、色々なスミレ。折角インストラクターの方が教えてくださるのにそばから忘れる花の名、本当に申し訳ない。今度は山野草のハンドブック持っていこう。日々の仕事から離れて命の洗濯だったかな。本当に楽しい一日でした。又、新緑のつくば山に行きたいねー。インストラクターの皆様、本当にありがとうございました。
(取手市 森田三枝子)
友人の紹介で初参加しました。神社からの山登りは何度もしましたが、キャンプ場からの裏登山道は初めてです。5,6人のチームにリーダーが付き、色々の花の名前や様子を詳しく伝えて下さり、又その数の多いこと、カタクリも自然の状態で一面に芽を出し、自然の山の美しさを堪能しました。キブシに雄、雌のあることも、植物とじっくり向き合い自然の空気をたっぷり頂き、楽しい一日でした。最後に、つちぐり等教わり、"家の縁の下にもありますヨ"の言葉、そして頭をつつくと茶色の怪しげな煙にNHKの朝の連ドラ"ゲゲゲ・・・"を連想して、又愉快な気分を味わいました。ありがとうございました。又の機会を楽しみにしています。
(守谷市 小山賀子)