「子ども樹木博士in植物園」の報告
11月3日(火)に那珂市戸にある茨城県植物園で子ども樹木博士を実施しました。当日は昨夜の雨もからりと上がり、早朝の気温は零度近くまで下がりましたが、日中は快適な陽気の中で認定会を実施しました。
この日の朝、植物園周辺では霜が降りたようだったが、寒いというよりは少し暖かい快晴に近い良い天気でした。しかし植物園の「秋まつり」にもかかわらず、不思議なことに入園者の姿を見かけることもなく、10時を過ぎても関係者の姿しか見られませんでした。
野草、食べ物、木工細工等々の多くの臨時売店でも店番の人たちだけ、お客さんがいないのでシーン!もちろん子ども樹木博士も受け付け終了時間が過ぎても申込者はゼロ。(アーア!どうしよう…と関係者は暗い顔…)
子ども樹木博士は過去数年に渡って継続していますが、こんなにビックリ!ガッカリ!したことは初めてでした。参加者がいなければ子ども樹木博士の認定会にならないので、午後まで延期することにし、講師3名は県民の森でお客さんのいない観察会を開きました。
1.子ども樹木博士の受付時間 午後0時半〜
2.認定会実施 午後1時〜
1)開会式と認定会のお話
2)観察ルートの樹木解説
3)認定会
4)認定書と記念品の授与 午後2時半
さあ、開会式です。メモ用紙や鉛筆を持って少々緊張している参加者の皆さん。歩いている人を勧誘して、ようやく10名の参加者を確保できました。(写真上)
講師がルールを説明します。"エ―と、最初はコースを回って木のお話をします。""その次には同じコースを回って簡単な試験をしますのでリラックスして頑張ってください。" "認定会は好い点数をとることよりも、園内の樹木や自然に親しむ様にしてくださいネ!"(写真左)
(左の写真は)素晴らしい樹形に育ったクヌギ(この木のドングリが、♪ドングリコロコロ♪の歌に出てくる"転がるドングリ")です。ここにはこの木の他にも素晴らしい樹形のクヌギが2本生育しています。きっとクヌギにとって居心地よい場所なのかもしれません。またこの木は冬の寒空に伸ばす枝ぶりも素晴らしく逞しいので落葉後にも見てみましょう。
(右の写真は)クヌギと一緒に里山を代表するコナラで、これも頑丈な樹形を保っています。そして根元には毎年ドングリの実を沢山落とします。
ところで、ドングリは秋のうちにドングリの先端から根を出し、来春芽を出す栄養を蓄えたドングリ(種子)を地面に固定する役割をします。そして春になると同じ先端の反対側から新しい芽を出し成長します。左の写真のように足の踏み場もないほどドングリを落とし、2,3年毎に沢山のドングリを木の下に敷き詰めます。しかしドングリの敵ゾウムシが多く、半数に卵を産みつけるので、全部は芽を出しません。コナラの芽を出させるには、水を張ったバケツにドングリを入れ、浮かぶドングリを捨て、沈んだドングリだけを柔らかい地面に蒔き、芽が出たら観察をしてみましょう。
(右の写真)これはカツラの木です。この周りは良い匂いがしますネ。カツラの葉は枯れるととっても良い匂いがします。香ばしい臭いでしょう。
最後に、認定書の授与式です。参加者は全員15問全問正解でした。その後に植物園の所長さんから認定書と記念品が渡され、皆さんニコニコ顔で全員元気に受け取りました。
報告 林 聰一郎