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「街の木たんけん」を実施しました!

何気なく見過ごしている街の中の樹木も、よく見るとたくさんの種類があります。皆さんにそれらの木にもっと親しんでいただくために、6月22日(日)に「森の木たんけん」を実施しました。歩道や公園にどんな木があるか、植えられた木だけでなく、自然に生えてきた木も調べてみました。

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1.はじめに

イントロダクションとしてアカマツとイスノキを見ていただきました。

中央公園のアカマツはもともと生えていたものではないでしょうか。このアカマツやクロマツの葉は2枚ずつペアになっている二葉松ですが、五葉や三葉の松葉、珍しい一葉松もご覧いただきました。

イスノキには虫こぶがたくさん付いていました。昔はこの虫こぶを笛にして遊んだそうです。用意しておいた虫こぶを吹いてみましたが、なかなかいい音がでませんでした。ずいぶん練習してきたんですが…。

2. 木のこどもたちを探そう:何種類みつかるかな?

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公園は人の手によって管理されているところですが、どういうわけか下草が刈られずに残っている場所がありました。ここで、どんな木の子どもたちが芽生えているか、みんなで探してみました。種が鳥に運ばれてきたと思われる木、風で飛んできた木、上から落ちて転がってきた木がありました。また、クリ(ヤマグリではなく栽培品種のクリです)の実生も。これは人が捨てたもののようです。このまま人の手が入らなかったとしたら、この場所はどうなるでしょうか? もともとつくばには生育していなかった木もたくさん芽生えていますし、地球環境そのものも普遍ではありませんから、単純ではなさそうです。

3. 五感でかんじよう!

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見て、さわって、においをかいで、木の特徴を体感していただきました。大きな木、白い花が咲いている木、木の実がついている木など、見えましたか。ざらざらした葉っぱ、ふわふわした葉っぱ、すべすべの木の幹、ひれがついた枝の感触はどうだったでしょう。くさいにおいの葉っぱ、最後にタイサンボクの花の香りも嗅いでもらいました。

4.里山の森!かな?

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歩道の両側に植えられたコナラがが大きく育って、里山の雰囲気のような場所があります。でも、よく見るとどこか違っていました。そう、下の方にクマザサが茂っていました。里山も本来の自然の姿ではなく、燃料や肥料を取るために人が管理してきた森の姿です。それが、管理されなくなって里山が荒れてきているとよく言われますが、本来の姿に戻ろうとしているのかもしれません。どちらがいいのか、いろんな意見があります。皆さんも考えてみてください。

5.春咲いた木は今ごろ?

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春に花が咲いた木は、果実が大きくなってきています。エゴノキにもかわいい実がぶら下がっていますが、他にも… オトシブミがエゴノキの葉っぱを巻いてぶら下がっていました。用意したオトシブミを持ち帰られた方もいましたが、その後どうなったでしょうか? ほかに、ハナミズキ、コブシ、ケヤキの実も見ていただきました。

6.橋の上から何が見える

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木は下から見上げることが多いのですが、歩道橋の上からは普段見られない木の姿を見ることができます。シラカシはドングリの赤ちゃんをたくさんつけて、今年も豊作のようです。少し離れたトチノキは丸い実をぶら下げていました。最後に、マテバシイはたくさんの花を咲かせていました。

今回の「街の木たんけん」は、皆さんの近くで見られる木をもっと身近に感じでいただくために、いろいろな角度から木と触れ合っていただきました。街の中でもいろいろな木が見られますので、通り過ぎるだけでなく、ちょっと立ち止まって観察してみてはいかがでしょうか。また、これを機会に森や自然に少しでも関心を持っていただけたら、とてもうれしく思います。

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文:平岡 博

最終更新日:2008年7月13日
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