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全国森林インストラクター会茨城支部では、隣県の福島・栃木のインストラクターとの交流会およびインストラクターの研修として八溝山の観察会を行いました。その様子をご紹介します。

「八溝山観察会」実施報告

この数年、夏と秋の年2回、八溝山で観察会を実施しています。特に今年は総会時に中村事務局長が計画を発表し皆さんから承認いただいた、3県合同の観察会を実施いたしました。

前回は緑が目に浸みる5月19日に茨城支部だけの観察会、そして今回は少々残暑厳しい9月15日、16日の日程でしたが、栃木県と福島県のインストラクター会の皆さん、そして森林インストラクター養成講習会の講師で、また一昨年の全国研修会茨城大会の講師をして頂きました谷本丈夫宇都宮大学名誉教授にも参加頂きました。

1. 初日(いこいの森、袋田の滝)

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9月15日の午後1時に奥久慈いこいの森学習館前で受付を済ませ参加者全員がチェックイン(少し遅れた人もいましたがご愛嬌の程度)。すぐに車に分乗し茨城の名勝「袋田の滝」を観光しました(がその感想は?)。その後いこいの森に戻り、昭和51年第27回全国植樹祭が開催されたメイン会場で、昭和天皇・皇后陛下がお手植した、2組の"2本の杉と1本の山桜"を、それは「森の文字形」に配置した記念樹ですが、その前で恐れ多くも記念写真を撮りました。この前方には「笹の風道」と呼ぶ数100メートルの笹道が頂上のオブジェまで続いています。

記念樹の後ろには数10メートルのケヤキ並木があり、毎年夏の間に食害を受け、初秋に新芽を出し紅葉できない可愛そうなケヤキが沢山あります。かねてからその原因を追究していましたが"アカハラノミゾウムシ"が原因と谷本先生にご教示頂きました。(永瀬所長;写真前列左でニコニコ顔)

その後スケジュールは順調に進行し、宿泊施設に移動し入浴後、早くも午後5時から酒宴かつ懇談会を開始しました。大分お酒が入って元気を取り戻してから各インストラクター会の紹介がありましたが、どこでも同じイベント参加者数の問題があることが判りました。その後のことはお酒が沢山入って何が何だか記憶にありません。

2. 2日目(八溝山)

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八溝山は標高1022メートルの茨城県の最高峰で、福島県のとの県境にあり、また栃木県との県境も直ぐ近くにあるようです。頂上は一等三角点で直ぐ下にはお城をかたどった展望台があり、遠く富士山が見えるとか…。また秘話のようですが、飛鳥時代から奈良時代にかけての遣唐使は、八溝山から採取された砂金で賄われたそうだと、幕末の水戸藩士の著書に記載があるそうですが、それでも1000年以上も前のことですから…。

山頂に着いたのは8時40分頃でしたが、頂上に近づく頃から数メートル程度の視界しかないほど深い霧に包まれ、気温も20度未満で少し寒いくらいの天候でした。でも参加者の皆さんが日常から真面目に仕事していたのでしょうネ。真名畑林道で人員輸送の準備やエンコウカエデかヒメジソかと予備観察会をしているころから、青空が顔を出し時々日が射してきました。その後午前10時40分には準備が完了し、予定通り山頂からの山道を、明確に判らないほど雑草(名前はキチンとあります)に覆われた道を、久慈川源流の鹿ノ又林道へと続く山道を下ることから観察会を開始しました。そして源流の沢を何度か渡り林道の最奥部で昼食を、さらに久慈川の源流に沿って下山し午後3時に無事観察開始地点に帰着しました。

無事に観察会を終了し、谷本先生からお言葉を頂きました。「尾根から沢へ下り、沢沿いの林道を含む観察コースの設定が素晴らしく、その立地に適応した植生が存分に観察できて結構な一日であった。」と、改めて深謝いたします。

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また栃木県の小川さんから感謝のメール。そして福島県の藤田さんからのメールは少々長いのですが掲載します。「北斜面の植物相の豊富なこと、シロヤシオの群落 カエデ類の種類の多さ、特にこれまで図鑑でしか知らなかったチドリノキ、ヒナウチワカエデ、さらにアブラツツジ、それから草本に至ってはアズマレイジンソウ(東伶人草・・・分布上は日本海側と図鑑にありました!)、ツルニンジン、アキノギンリョウソウ(・・・ギンリョウソウとは異なる)など、興味が尽きず、叉じっくりと訪れ納得の行くまで観なければとおもいました。

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人間味豊かな谷本先生のお人柄にも触れられ、茨城県支部会の中村様、塚本様、永瀬様、他皆様から暖かいおもてなしを頂き、篤くお礼申し上げます。ゆくゆくは福島の自然を観る機会が出来んことを念じつつ、皆様にも宜しくお伝えをお願いし、更に貴会のご盛況を祈念し感謝申し上げます。ありがとうございました。」  藤田さん有難うございました。

最後に、今回の3県合同観察会に際して、栃木県・福島県の森林インストラクター会各位、そしていつもの事ながら茨城支部の皆様のご協力、特にいこいの森管理センターの永瀬所長ご夫妻(奥様には毎回ご馳走の差し入れを、特に今回は鮎のてんぷらと刺し身コンニャクなどを頂きました。)と大関副所長には厚く御礼申し上げます。さらに皆様のご発展を祈り何時の日かの再会を期待して報告書といたします。

観察した植物(参加各位のデーターを参考にしました。)

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木本類;ブナ、イヌブナ、ミズナラ、コナラ、カジカエデ、ウリハダカエデ、ハウチワカエデ、コミネカエデ、イタヤカエデ、イロハモミジ、オオモミジ、エンコウカエデ、アサノハカエデ、ゴヨウツツジ、バイカツツジ、トウゴクミツバツツジ、ホツツジ、アブラツツジ、ネジキ、ナツハゼ、サワフタギ、アオダモ、ネズコ、ナツツバキ、リョウブ、ヤマウルシ、チドリノキ、ヒトツバカエデ、メグスリノキ、ミツデカエデ、オオバアサガラ、ケヤキ、オヒョウ、サルナシ、マタタビ、カツラ、サワグルミ、ヌルデ、ミツバウツギ、フサザクラ、ケンポナシ、スギ、ヒノキ、イワガラミ、ツルアジサイ、アワブキ、クマイチゴ、クマシデ、アカシデ、エゴノキ等。

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草本類;テンニンソウ、ヒメジソ、ミヤコザサ、イワウチワ、ユキザサ、オクモミジハグマ、オヤリハグマ、モミジガサ、オオモミジガサ、オタカラコウ、オヤマボクチ、ヤマタイミンガサ、シラネセンキュウ、シシウド、ジャコウソウ、カメバヒキオコシ、ヤマジソ、キバナアキギリ、ヤマハッカ、ムカゴイラクサ、ウワバミソウ、ヤマトリカブト、アズマレイジンソウ、オオバショウマ、キツネノボタン、ケキツネノボタン、ミズヒキ、イヌタデ、ミゾソバ、イタドリ、アキノウナギツカミ、タニソバ、ツリフネソウ、シロツリフネ、キツリフネ、ウスゲタマブキ、ナガミノツルキケマン、ゲンノショウコ、フシグロセンノウ、ルイヨウボタン、キンミズヒキ、(オネ)トネアザミ、メナモミ、シラヤマギク、ノコンギク、アキノギンリョウソウ等。

参加者名
特別参加;谷本丈夫宇都宮大学名誉教授。
栃木県;海老原忠氏、酒井三千三氏、小川知可子氏(旧谷本研究室の現院生)。
福島県;藤田和孝氏(全国会茨城研修会にも出席)。
茨城県;塚本紘氏、塚本栄子氏、杉山正夫氏、増田要一郎氏、和田哲男氏、永瀬瑞雄氏、飯島和子氏、吉田敬二氏、人見光英氏、藤井瑞枝氏、平井希一氏、平岡博氏、中村紘氏、林 聰一郎の19名。

全国森林インストラクター会茨城支部長  林 聰一郎

最終更新日:2011年8月15日
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