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「筑波山秋の花観察会」実施報告書

1. 場所:筑波山(裏筑波観察コース)

2. 日時:2020年10月6日(火)10:00〜16:00 天気 曇り

3. 参加者:6名(会員:4名 パートナー会員:2名)

4. 記録した植物

木本類:アブラチャン、アワブキ、イヌブナ、ウメモドキ、オオバアサガラ、ガマズミ、タマアジサイ、チドリノキ、ブナ、ミツバウツギ、ミヤマシキミ、ヤマアジサイ

草本類:アキノタムラソウ、アケボノソウ、アズマレイジンソウ、イヌショウマ、オオナルコユリ、オクモミジハグマ、オトギリソウ、カシワバハグマ、キッコウハグマ、キバナアキギリ、キンミズヒキ、クワガタソウ、コアカソ、コボタンヅル、コメナモミ、サラシナショウマ、シロヨメナ、センニンソウ、タイアザミ、ダイモンジソウ、ツリフネソウ、ナツトウダイ、ヌスビトハギ、ノハラアザミ、フイリミヤマウズラ、ボタンヅル、ミズヒキ、メナモミ、ヤブガラシ、ヤブマメ、ヤマハッカ、ユウガギク

5. 感想

森林インストラクター茨城では、これまで年2回、春と秋に一般から参加者を募集して、筑波山観察会を実施してきた。この春は、新型コロナのために中止を余儀なくされ、この秋も実施するか否か逡巡していたが、一会員から背中を押され、会員対象として実施を決めた。

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筑波高原キャンプ場駐車場に集合、観察コースを歩き始める。駐車場周辺には、白や淡青紫色の野菊が咲いている。花の色や大きさから、ノコンギクやユウガギクが考えられるが、種子を運ぶ冠毛の長さからシオン属、そして葉の様子などからユウガギクであることを確認した。

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きれいにそろった平行脈で淡緑色、シデ類の葉にも似るが、葉が対生の樹木が気になった。これは何だろうということになったが、観察していると翼果と呼ばれる翼のある果実を見つけた。葉が対生で翼果、これでムクロジ科カエデ属チドリノキと確認できた。私は最初にこの木を見て、チドリノキを否定していた。チドリノキは県内山地で何度も見ているが、渓流沿いというイメージがあった。これから鮮やかな黄葉を見せてくれるだろうか。

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観察路にたくさん見られ、草本か木本か迷った植物がある〔写真1〕。高さは30センチにも満たなかったと思う。帰って調べようと考え、たくさん写真を撮った。その中に面白い写真があった〔写真2〕。この植物は、トウダイグサ科のナツトウダイであろう。〔写真1〕は、花のつかなかった茎で〔写真2〕は、春に花が咲き、2枚の総苞葉から発生した花序、そしてそこから繰り返す花序、その先に〔写真1〕と同じ発芽した葉が見える。

白いブラシのような花をつけた花を見つけ、サラシナショウマと声を出した。しかし、参加者の一人に「これはサラシナショウマではなく、イヌショウマではないか」と指摘された。私はイヌショウマの存在は知っていたが、この手の花を見るとすべてサラシナショウマと思い込んでいた。すぐ近くにはサラシナショウマも見られ、比較して違いを確認した。

(文:村田 誠)

最終更新日:2022年2月23日
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