ロゴマーク
森林インストラクター
いばらき
トピックス

2013・近県合同観察会・奥日光

今年度の近県合同観察会を、栃木森林インストラクター会の主催で、「奥日光・戦場ヶ原・千手の森」を中心に行いました。全国会発行の「日本の森121」で紹介された、「千手の森・中禅寺湖南岸コース」を栃木会副会長にアレンジして頂き、昨年同様、栃木、福島、宮城、神奈川に連絡したところ、4県で23名の申込みがありました。ご都合で参加できなかった方を除き19名での観察会となりました。

初日は、奥日光戦場ヶ原の植物群を観察した後、ハイブリッドバスで静かな西ノ湖へ。千手の森を抜けて千手ヶ浜にある奥日光自然の家に宿泊、会食・懇親と自然の中の夜を満喫しました。2日目は千手の森から、柳沢川を遡り名瀑・赤岩の滝迄の往復トレッキング。徒渉、沢登り、熊の皮剥ぎ跡の観察等多彩でした。

前日までの梅雨空が上がり、早い梅雨明けと猛暑が到来しましたが、日光は涼しさが残り、別天地での観察会、交流会になりました。

1. 日程

平成25年7月6日(土)

日光市役所・日光総合支所集合〜車に分乗、赤沼駐車場に駐車
戦場ヶ原・自然研究路を丁寧に観察。青木橋で昼食後小田代ヶ原へ
小田代ヶ原バス停よりハイブリットバスに乗車、西ノ湖入口で下車
西ノ湖見学、記念写真撮影後、千手の森経由千手ヶ浜へ
奥日光自然の家宿泊、夕食・懇親会

平成25年7月7日(日)

朝食後千手の森を抜け、柳沢川沿いの林道をトレッキング
柳沢川を渡り、名瀑「赤岩の滝」到着・県学。引き返し、徒渉場所で昼食
西ノ湖入口よりハイブリットバスで赤沼入口へ
中禅寺湖湖畔・コーヒハウス「ユーコン」でコーヒを味わった後、解散

2. 参加者 19名(内日帰り3名)

(1) とちぎ森林インストラクター会: 8名

(2) 森林インストラクター会福島支部: 2名

(3) 森林インストラクター宮城:3名

(4) 森林インストラクター茨城: 6名

総計19名(男性14名、女性5名)

3. 戦場ヶ原自然観察路

photo01
湯川・ラムサール条約登録の標識
photo02
木道からの観察
photo03 photo04
イブキトラノオ ホザキシモツケ
photo05
手乗りホシミスジ
photo06
青木橋での昼食

高速道路は空いていて、車のナビゲーターのガイドも良く、集合場所の日光総合支所には集合の1時間前につきました。そこから参加者は車に分乗してイロハ坂の急坂を登り、高度1200mの赤沼入口の駐車場に。駐車場に車を置き、戦場ヶ原自然観察路に足を踏み入れました。奥日光の湿原「湯ノ湖 湯川 戦場ヶ原 小田代ヶ原」の内の260haが2005年にラムサール条約湿地に登録され、湿地とその水系の保全、それらの賢明な利用を進めていくことを世界に宣言しています。

出発点の赤沼から栃木会の武井さんの先導で観察が始まりました。観察路には湯川の流れに沿って木道が敷かれ、木道の左右に足を止め、説明を聞いてメモし、しゃがんでは写真を撮り合いました。木道は整備され、対向者とすれ違う事が出来、ゆっくりと観察できました。入口のキバナウツギから入り、ミヤマザクラ、シラカバ、ハルニレと続く。イブキトラノオの形を眺めて匂いを嗅いだら臭い。誰かがこれは別名便所ブラシと教えてくれました。アヤメやニッコウシダを眺め、遠くにワタスゲやニッコウキスゲを見る。ホシミスジという蝶が飛翔して手に乗ってくる。オオシオカラトンボが飛び、ヒカゲチョウの幼虫も観察する。ミズナラは自然の風化で倒木が多い。湿原の中には小さなカラマツやシラカンバの木が多く、50年以上たった老木だそうです。湿原は木にとって厳しい環境なので、成長が遅いと。毛の多いミヤマウグイスカグラ、クロミノウグイスカグラ、ホザキシモツケ、ヒメシャクナゲ、ミヤマイボタの蕾、湿地に生えるニッコウハリスゲ、キンポウゲの黄色い花等、次々観察できました。アオジが飛び、ウグイスの声、水面にはカルガモのツガイ。予定した泉門池の手前、青木橋の木陰で弁当・昼食となりました。青木橋では大きなズミの木を見て泉門池を経て小田代ヶ原へ。多くの植生を観察しながら遠くに男体山と貴婦人の凛とした姿を望みました。秋になるとあたり一面草モミジになるとのこと。

4. 西ノ湖(サイノコ)から宿舎

photo07
栃木会副会長の西ノ湖の説明
photo08
クリンソウ
photo09
奥日光自然の家

小田代ヶ原のバス停で、ハイブリッドバスを待ちました。ハイブリッドバスは自然環境を守るため、車の乗り入れを禁止し、低公害バスで地域に入る目的で運用されています。西ノ湖入口で降り、カラマツ林からハルニレ、ミズナラ林を抜けて西ノ湖に到着しました。西ノ湖は、元は中禅寺湖の一部でしたが、柳沢川の土砂の堆積などで独立して出来た遺留湖。神秘的な個所で訪れる人も静かな景観を味わうことが出来ます。岸には水に漬かっても強いヤチダモの保護林が林立しています。水が引いて露出した湖底部分では、絶滅危惧種イトキンポウゲの可憐な花を見ることが出来ました。ここで日帰りの3名と別れるため記念写真を撮りました。

西ノ湖からはもと来た千手の森を戻る。自然淘汰の森であるが、ほとんどの木に鹿害を防ぐための金網が巻きつけられています。木の根元にショウキランを見つける。暗くなる前の森に6月には一杯咲いていたクリンソウがひっそりと残っていました。鹿の親子が森に消えていく。千手ヶ浜手前の、草加市が運営する「奥日光自然の家」が今夜の宿で明かりがともっていました。

5. 「奥日光自然の家」宿泊

photo10
夕食後の懇親会
photo11
朝の出発

「奥日光自然の家」はもと大学の学生村と して設置されたのを草加市が引き継いだそうです。びっくりしたことは、宿泊者が我々のグループのみとの事。早速風呂に入り、汗を流した後、別棟の食堂で夕食を頂きました。沢山のアルコールも用意してくれました。但し規定で食事は7時までと。宿舎に戻り消灯時間の10時迄幹事室で懇親会を開きました。各場所の活動紹介や自慢話で盛り上がり、散会後もしばらく歓談。

翌朝も幸い良い天気。千手ケ浜から中禅寺湖畔や森の散策を1時間以上された方をはじめ、各自静かな朝を楽しみました。隣接する千葉県の宿舎では大勢の中学生が朝のランニングを始めていました。

6. 「赤岩の滝」トレッキング

photo12 photo13
ショウキラン 熊の皮剥ぎ跡
photo14
沢の徒渉
photo15
赤岩の滝

朝食後、準備を整え宿舎を出発しました。再び千手の森を抜けて行く。キビタキの鳴き声が聞こえ、ニホンザルの群れにも遭遇する。小さなコテンクワガタも手に取る。カラマツ林を行くと柳沢川が左に現われる。川岸の自然樹木と山側の植林・混交林の中に、各種のカエデ類、ウルシ、ノリウツギ、ツルアジサイ、サルナシ、マタタビ、イケマ、ツルアジサイ等々。

汗がひとしきり出たところで小休止。そこでクマが木の皮を剥いだばかりの跡を見る。ショウキランも再度発見。道が切れたところで沢を徒渉。長靴の方は楽々と、短靴の方はなんとか石伝いに渡る。

ケルンの積まれた岩道をかなり登った後、最後の沢登りに。岩を伝う事数回で4段の「赤岩の滝」が天を突いて現われました。体の汗が一瞬に冷えて行く迫力でした。滝の写真撮影としばしの休憩後、元の徒渉個所を渡って、宿舎から渡された大きなおむすびを口にしました。濡らした靴下を脱いで乾かしたり、疲れた体を癒しました。帰りの道は、西ノ湖入口のバス停まで足取りも軽く下りました。ハイブリッドバスに乗り、バス路の左右に自然の森の広がりを眺めながら赤沼入口に着きました。

7. 中禅寺湖畔でのティータイム・解散

photo16
コーヒーハウス・ユーコン

赤沼駐車場から中禅寺湖畔に車で下り、中禅寺金谷ホテル前のコーヒーハウス「ユーコン」でおいしいコーヒを頂き解散となりました。次回は宮城の方に行きたい等リクエストも出ましたが相談する事として、来年の再会を誓い、それぞれ帰途につきました。イロハ坂を下り高速に入ってから小雨がありましたが、2日間共涼しい中で、沢山の観察とトレッキングが出来ました。

この会を計画して頂いた栃木会副会長、案内をして頂いたとちぎ森林インストラクター会の方々、そして参加して頂いた皆様に感謝致します。

また今回ご都合で参加されなかった方々には、またの機会にお話を伺いたいと思います。

photo17 記念撮影
(西ノ湖)

(文:杉山 写真:海老原、大友、杉山)

最終更新日:2013年8月26日
© 森林インストラクター茨城