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巨樹ってどんな木?? モグラの穴 のぞいたことがありますか? 皆で 確かめてみました!!!
「街の木たんけん 初夏編 in つくば市 洞峰公園」報告

2009年6月28日(日)つくば市洞峰公園で第3回「街の木たんけん」を実施しました。

今回は 会場も筑波研究学園都市中心部の公園ということもあり、ベビーカーを押しながら や 小イヌを連れて、また「森林インストラクターの勉強中です!」 など いろいろな人たちが 気軽に参加してくれた わきあいあいとした観察会となりました。

その1 巨樹ってどんな木?クスノキのなかの3種のダニの話

今回の観察は、集合場所である新都市記念館前の大きなクスノキからスタートしました。

大きな木って 巨樹と呼べるのでしょうか? まずは、皆で幹の周りをはかってみることにします。

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結果は 4m44cm

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環境省のパンフレットによると、巨樹とは、幹周り 3m以上の木をいうのだそうです。ということは、この木も、りっぱな巨樹ということになります。そして、皆でクスノキの葉を観察・・・3本の葉脈や、脈の分岐するあたりにあるダニ部屋とよばれる部分を観察。

クスノキには、どうして、ダニ部屋があるのでしょう?中に棲むのは、クスノキの汁を吸うダニで、クスノキにとってまったく無害という訳ではない。また、最近の研究結果によると、クスノキはなんと、3種類のダニと共存しているらしいということがわかってきたのだそうです。皆で平岡インストラクターの解説をききます。

その2:アズマモグラのトンネル

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クスノキから池のほとりへ歩いていくと・・もこもこ、とびとびに山になってる もぐら塚を発見しました!! よくみかける光景ですよね。でも、みなさん、中をみたことありますか?  土をどけてみましょうか・・・

はじめは穴は見えませんが(モグラが ふたを作っているからだそうです)よーくさがすと・・・・

あらわれました!!!       もぐらトンネル

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さて・・・では もぐらってどんな形? しっぽはある?目は?耳は? ここでイラストクイズです。みなさん、もぐらを描いてみましょう・・・参加者のみなさんはどんな絵をかいてくれたでしょう・・・いろいろ描いてくれました。

このトンネルに すむモグラは アズマモグラ・・穴の大きさを測ってみました。

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穴は、とても硬くて しっかりしていることに驚きました。残念ながら、モグラをみつけることはできなかったので こちらは、国立科学博物館で撮らせてもらった剥製の写真です。しっぽは短く、目は小さく(退化)、耳も そとからは みえません。視力はほとんどないそうですが 聴力はとても優れていて いつも、地上を歩く動物や人間達の足音などの音を、地下から聞いているそうです。

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最後は、もぐらのお話を紹介し・・・

モグラ探検 無事終了・・・

その他、いろんな森のたからものさがしもしてみました。

その3:洞峰沼のほとりの植物たちと樹皮トレース

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公園内にある大きな沼:洞峰沼は 周囲約1km。ウォーキングやジョギングする人、ファミリー等でいつもにぎわいヨシやガマが茂るこの沼は、昔からあったもので(江戸時代は松ノ木池といったそうです)公園となったとき植栽された樹木が沢山ありますが、昔からの水生植物も沢山みられます。(左:ミソハギ、右:メタセコイアやラクウショウを観察、)

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冬はカモが沢山訪れ、夏もカワセミやサギなどの野鳥やトンボなどが いろいろみられます。観察会の日も、オオヤマトンボやウチワヤンマが池のまわりをパトロール、コシアキトンボやシオカラトンボも沢山いました。(写真:コシアキトンボ オス)

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こんな木(左写真)も発見!クマヤナギです。刈り込みされていない水辺のきわには、鳥が運んできた種からいろんな樹木の実生が育ちはじめていて、クマヤナギは ちょうど、咲き始めた花と昨年の花からできた実が同時にみられました。

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そして今回初試みの樹皮トレースでは、木の肌を感じながら、各自 思い思いの木を観察し写しとってもらいました。(写真:ヤマボウシ・ケヤキ・シラカシの樹皮トレース)

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その他、ヒメコウゾの実のほろ甘苦さ、拾いあげたカツラの葉の香り・・沼の畔の散策は、新緑や水辺の美しさや いきもの(いきものたちのいるところ)の手触り、などなどに触れながらのひとときでした(写真:フトイ)

身近な街の木にも、不思議や秘密や発見が たくさんあります。大木の下は、雨をふせいでくれるので、小さな生き物達の集まり場所・・・・参加してくれた男の子が、クスノキの根元から、まるまる太ったアリジゴクをみつけてくれました。エサも沢山あるのでしょうね。

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次は一緒に歩いてみませんか?(右写真:ぽっかりあいた モグラトンネル:たんけんの入り口みたいですね)

(報告文:藤井、 写真:平井・藤井)

最終更新日:2010年6月3日
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