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八溝山・月居山・奥久慈憩いの森観察会

5月19日(土)・20日(日)に八溝山、月居山、奥久慈憩いの森で観察会を実施しました。

その1「八溝山観察会」 | その2「月居山観察会」 | その3「憩いの森観察会」

「月居山観察会」の報告

1.日時  2007年5月20日(日)午前8時〜11時

2.場所  久慈郡大子町袋田月居山

この日はコバルトブルーに晴れ上がった朝で、かなりの強風が吹き荒れる天気でした。でもこの強風のお陰で空気は澄み渡り、写真のように奥久慈の空と山々の緑が目に浸みるような美しい袋田の朝でした。

国道461号線の新月居トンネル手前の駐車場に車をおき、旧国道月居トンネル脇から山道に。藪のような道を10分ほど登ると、月居山から男体山への縦走路に辿り着きました。途中足元にはクワガタソウやヒトリシズカまたタイミンガサなどが見られ、さらに岩のゴロゴロする急な斜面を登ること数分、見晴らしの良いピークに到着。少し汗ばんだ顔に心よい風が吹き上げ、遠く袋田の町並みが展望できました。そこからブナなどの覆いしげる道を2、3分歩くと月居山山頂に到着。ここは秋田に移った佐竹藩の出城でしたので月居城跡を示す記念碑がありました。山頂は緑に覆われ平坦ですが日光はほとんど差し込まずミヤマハコベや沢山のギンランやツリガネニンジンなどが見られました。

北側の急斜面の九十九折を下ると覆いしげる樹木の隙間から光明寺月居観音が見えました。

また途中にはカシワバハグマやオヤリハグマそしてカタクリの実やタチガシワの花なども見られました。

月居観音の入り口の門前には、見上げるばかりのイチョウの老木が聳え立ち、足元には落下した沢山のオバナがまるで高級絨毯のように敷き詰めてありました。

ここから東に向かって山を下り始めると昨年まではフタバアオイやヤマブキソウなどが群生していましたが、今回は土砂崩れがあったのか、また何かの工事があったのか、道幅2メートルもある道に変わり野草の数が極端に減少していました。

また明るい雑木林の林床にカタクリの2〜4年生くらいの幼葉が見られ、一枚葉のカタクリを初めて見るメンバーは納得(?)の顔をしていました。

その後も写真のような林の中で森林浴をしながら三々五々楽しみながらの散策をしました。

その後、袋田の滝の上流に行き「生瀬の滝」の落ち口から「袋田の滝」の上部を見物しましたが、滝は下から見るもの、上から見るとただの川の流れでしかありませんでした。(残念!)

観察した主な植物

木本類はアオダモ、マルバアオダモ、ダンコウバイ、ヤブデマリ、ネジキ、リョウブ、ミヤマナラ、ケヤキ、ブナ、オオモミジ、イタヤカエデ、サワグルミ、ミズキ、イヌシデ、ゴンズイ(遠く高い樹木だったので詳細には観察できず協議の結果決定?しました)など。草本類はミヤマハコベ、ギンラン、ササバギンラン、ツリガネニンジン(葉の状態が互生、対生、3〜5枚の輪生まで色々)、ヒトリシズカ、クワガタソウ(花はまだ蕾が多かった)、エンレイソウ、ルイヨウボタン、モモイロキランソウ、タイミンガサ、フタバアオイ、ヤマブキソウ、タチガシワ、カシワバハグマ、オクモミジハグマ、オヤリハグマ、ニョイスミレ、タチツボスミレ、カタクリ(実)、ヤブジラミなどでした。

文と写真 林 聰一郎

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最終更新日:2011年8月15日
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